放電加工には、ワイヤー放電加工と型彫放電加工とがあります。
今回は型彫放電加工の概要について説明します。
型彫放電加工は、基本的には
金型を作るための加工技術です。
右の図は、加工前の加工物と加工に使用する工具電極です。
加工物は、一般的には金属(導電体)です。
工具電極には、銅や銀タングステン、銅タングステンなどの導電性や融点の高い金属が使用されます。また、工具電極には、欲しい形状を反転させた形状をあらかじめ機械加工で形成しておく必要があります。
加工物(金属)
工具電極
工具電極と加工物とを対向させた状態に配置します。
このとき、工具電極と加工物との間に電圧を印加します。
一般的に、型彫放電加工では、工具電極側が+(正)極、
加工物側が-(負)極となるように電圧が印加されます。
工具電極
加工物(金属)
工具電極と加工物との間に電圧を印加した状態で工具電極を加工物に接近させて、工具電極と加工物との間の距離が所定の距離以下になると工具電極と加工物との間で微小な放電が繰り返し発生します。
放電加工が終わり、工具電極を加工物から離すと、加工物には工具電極の形状が反転転写されています。
工具電極
加工物(金属)
工具電極
加工物(金属)
右の図に示すように、型彫放電加工後の加工物(金属)の表面には工具電極の形状が転写されています。
つまり、型彫放電加工は電極の形状を加工物に転写する加工方法です。
放電加工された加工物(金属)